Another Blue ~もう1つのブルー

俺たちが生きて行くために、今 愛が必要なんだ

別れた彼女と再会

ぅ~頭が痛いhttp://img.mixi.net/img/emoji/60.gif気が付くと見かけない天井が俺の目にぼんやりと滲んできた。 

ここは何処だろう?あっつ~頭痛て~(+_+) 
辺りを見回すと畳の和室。おでこには冷たいタオルが俺の視線を遮っていた。 

断片的だが、少しずつ記憶が蘇ってきた。 

そうか・・・さっき(何時間前なのかは定かではないが)飲み屋街で彼女を見かけ、後を追って、雑居ビルの中に入っている飲食店に突入したのだ。 

そこで熱烈な歓迎を受けて、グラスのカクテルを一気に飲み干したのだった。 

その後の記憶は完全に途切れていて、気が付いたら、この部屋に寝かされていたってわけだ。 

もう2年以上も酒を一滴も口にしていなかった。 

正確には2年前にビールを一口だけ、3年半前に自室で、缶の発泡酒(ビール)を2本飲んだ後に、立ちくらみを起こし、階段で転んで目の下を3㎝ほど切って以来、アルコールを絶っていたhttp://img.mixi.net/img/emoji/23.gif 

「おい、大丈夫か?誰か救急車呼んでくれ!」 
「誰だテキーラ入りのカクテルなんか飲ませた奴は?」 
辺りは騒然としていた。薄れゆく意識の中で、大勢の叫び声が耳鳴りのように響いていた。 

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「あっ、気が付いた?大丈夫?」 
3か月前に別れた彼女が、心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。 

「もう、お互い前の生活に戻りましょう」そう言い残したきり、彼女からの音信は途絶えていたhttp://img.mixi.net/img/emoji/32.gif 

時々mixiの訪問者履歴に彼女の足跡はあるが、これといったアクションは無かった。 

もう、会うことはないのだと思っていたけれど、飲み屋街でパーティドレス姿の彼女を見かけたとき、衝動的に後を追ったのだ。 

職場の同僚の結婚式の2次会に出席していた彼女は、会場を出て、タクシーを拾おうとしていたときだったらしい。 

そして追いかけて行った先が、結婚式の2次会が行われていた会場だったというわけだ。 

訳の分からないまま、俺はその中に飛び込み、その場にいた連中もまた、訳の分からないまま俺にテキーラ入りのカクテルを差し出したというわけだhttp://img.mixi.net/img/emoji/22.gif 

渡されたグラスに俺は一瞬ためらったけれど、これを飲み干さないと、彼女を連れ戻せないという思考回路が働いたのだと思う。 

猫のμ(ミュー)が俺に近づいてきて、心配そうな顔で(少なくとも俺にはそう見えた)俺のほっぺたを舐めてくれた。 

俺のこと、憶えていてくれたんだな・・・一瞬にして俺の頬を涙が伝わって行った。 



撮影:OLYMPUS E-P3 


【ショートストーリー+写真③】 

*この作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。