生キトシ生クルモノ スベテ コレ
罪ノ子ナレバ
もしもうちが
あなたよりも先に死ぬときは
あなたはどんなことを思うのかな
哀しいけど
あなたのほうが先に死ぬとき
うちは何をしてあげられるのかな
そんなことを時々思うことがあるの
それは13年前の3月のはじめに
あなたに云った言葉
「永遠なんてないよ」と
あなたが云うたびに
あなたの背中に縋って泣いた
あなたに抱かれるたびに
人の業の深さを知った
生キトシ生クルモノ スベテ コレ
罪ノ子ナレバ
*自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ スベテ コレ 罪ノ子ナレバ
太宰治 『晩年』の一節