その年の初めには
薄々感じていた別れでした
けれどあなたに別れの言葉を言われた時には
あなたの胸に縋って子供のように泣きました
むかし
川端康成の小説に
「別れる男に花の名を一つ教えておきなさい」とありました
あなたと一緒に見た花は
菜の花 紫陽花 ひまわり
秋桜 シロツメクサと
数えるほどにあるけれど
あなたと二人で最後に見た花は
見事に咲き誇った
弘前城の夜桜でした
桜の花は今年も必ず咲きます
たとえあなたが傍に居なくても
そしてあなたは桜の花を見上げながら
うちのことを強く想い返すことでしょう
Write:2019.03.06
Photo:2018.04.25
撮影
Camera:
OLYMPUS STYLUS TG-2 Tough