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「淡い夢」
それはまるで
淡い夢だったのでしょうか
来年も
再来年も
またその次の年も
見事なまでに咲き誇る
この桜の木の下を
こうしてあなたと二人で
寄り添い歩けることを
心から願った あの日・・・
桜並木の隙間から
くっきりと見える
一点の曇りもない空のように
あの日 あの時
確かにあなたと夢を見たの
それはまるで
淡い夢だったのでしょうか
外堀を覆いつくす
薄紅色のじゅうたんに
想い出という一片(ひとひら)が
身を投げる
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