今、書いている詩集「海に近いプラットホームで・・・・・」のプロローグともいえる詩が、↓に紹介する、「遅過ぎた出逢い」です。かれこれ20年前に、その当時好きだった人に向けて書いた詩です。
当時卒業間近だった彼女と、関東へ遠征(マラソン)に行く俺との、別れのシーンを書いたものです。
今でもあの時、遠征に行くのを取り止めにして、卒業までの日々を彼女と過ごしていたらと考えることがあります。ちょっとしたすれ違いが、その後の人生を左右してしまうことは、よくあること。
この詩とオーバーラップさせて「海に近いプラットホームで・・・・・」を読んでいただけたら、よりイメージが伝わってくると思います。あの頃を思い出しながら、詩を書いています。
「遅過ぎた出逢い」
君とさよならした北の駅に
僕が再び帰り着く頃は
春の陽射しが暖かく
僕を迎えてくれるだろうか
だけどもうそこには
なつかしい君の姿はない
君と最後の口づけを交わした二番ホーム
あの日二人でホットカルピスを頼んだ
ビルの一階の喫茶店
君は卒業したら田舎に帰るって云っていたよね
「四月には社会人よ」って ため息まじりで
今はただ遅過ぎた出逢いを悔やんでみるばかり
君と初めて出逢った場所は
クリスマスケーキの甘い香り
君とデュエットしたカラオケパブ
だけどもうそこには
なつかしい君の姿はない
降りついた駅の改札口で
春の陽射しがぼんやりと
僕を迎えてくれるだけ
1985.2.18「はるか眸 詩集 復刻版」より
作品をご覧になりたい方はこちら→ http://www.geocities.jp/denimroad/poems.html